はじめまして、umeno.study代表の平井良太と申します。umeno.studyでは学習教室、子育て相談、人材育成支援の3つの事業に取り組んでいます。事業の内容は発達障害や不登校、診断はつかないけれども発達に凸凹のあるお子さんと大人の方、そしてその周囲の方々を対象としており、そういった方々をとりまく社会課題と向き合うものとなっております。私は以前、作業療法士として病院や重症心身障害児者施設及び中隔発達支援センターに勤務し、現場で10年以上発達障害や不登校のお子さん、様々な発達特性をもつ方への支援を行ってきました。また、直接的な支援だけでなく、幼稚園や保育園、放課後等デイサービスへの巡回支援、発達障害に関わる仕事をしている職員向けの研修などにも携わってきました。

 この事業を立ち上げる経緯についてお話させて頂きます。現在、発達障害という言葉は広く知れ渡り、様々なサービスも生まれてきています。しかし、そのサービスにも隙間はあります。一つは発達障害があっても、適切な接し方や課題設定を行うことで学習意欲が上がることがわかっているのですが、学齢期では特性に合わせたきめ細やかな学習支援が少ないことです。また”合理的配慮”という言葉が広まっていますが、「実際どうすればいいかわからない」という声が教育現場をはじめ様々な現場から聴こえてくることが多くあります。こういった状況の中で、子どもたちや親御さんと向き合っていたところ、「目の前のお子さんが成長して手を離れていった時、最大限の力を発揮できるような環境を社会は自然とつくることができるのか?」という疑問をもつようになりました。そして、今まで現場で出会ってきたお子さんやその親御さんの思いを考えた時、「私がこのままの形で頑張ることが、目の前の方々に対して本当に責任を負っていることになるのか?」ということも考えるようになりました。

 そして、その問いの一つの答えとして当事業の立ち上げがあります。目の前のお子さんが成長して社会の中で「その特性」を強みに変えて、「力」を存分に発揮していくために必要なことは、「学齢期に本人を理解する大人と出会い、社会で生き抜くための基礎学力、学習習慣、自己肯定感及びソーシャルスキルを身につけること」、「親御さんが迷った時にいつでも相談できる場があること」、「限られた医療福祉という場だけでなく、あらゆる組織が発達特性に合わせて自然に接し方や環境を柔軟に変化させ、各々が最大限“力”を発揮できるようになり、その対応の方が“あらゆる側面で合理的である”と多くの人が思うようになること」です。この3点を実現、充実させることで社会に一つの良い循環が生まれると考えています。

 私一人の小さな事業としてスタートしていますが、これから先、様々な業種の方々と協力させて頂き、その良い循環を少しずつ生み出していきたいと考えています。umeno.studyが「みんなの学びの場」で永くありつづけるため、私は日々、一人一人と真摯に向き合い続ける所存です。

umeno.study代表 平井良太

代表経歴

北里大学を卒業後、2008年より作業療法士として病院、重症心身障害児者施設及び中隔発達支援センターに勤務。現場で臨床経験を積みながら、2015年に北里大学大学院医療系研究科修士課程を修了(医科学修士)。臨床では発達障害、診断は付かないが発達の凸凹があるお子さんや大人の方、不登校のお子さんに対するリハビリテーション及び子育て相談を行う。また、幼稚園や保育園などの巡回支援、発達障害に関わる仕事を行う職員向けの研修にも従事。 2025年4月に、学習教室、子育て悩み相談、人材育成支援事業を行う個人事業主としてumeno.studyを立ち上げる。